長期休み明けの月曜日、「幼稚園行きたくない〜!」と泣き出す息子。
玄関で固まり、服も着たがらず、泣きながら「ママと一緒がいい!」としがみついてきます。
「せっかく園に慣れてきたと思ったのに、また?」
そんなふうに感じて、つい気持ちが沈んでしまう朝もあります。
仕事も始まり、時間との戦いが再開するタイミング。
その中で子どもが登園をしぶると、焦りやイライラも混ざり合い、親の心にも余裕がなくなりがちです。
でも、叱ったり無理やり引き離すのも違う気がする…。
そんなジレンマを感じている方、多いのではないでしょうか?
今回は、保育士経験のあるベビーシッター・えむ先生に、「長期休み明けの登園しぶり」への対応についてお話を聞きました。
今回の相談内容|休み明けの登園しぶり、どう対応すれば?

夏休みや連休明けなど、長期の休みのあとに幼稚園に行きたがらない息子に困っています。
前日の夜から「明日は行かない」と言い出し、朝になると機嫌も悪く、着替えも拒否。
園の先生はやさしいし、特にトラブルがあるわけではなさそうなので、環境に戻るまでに時間がかかるのかなと感じています。
とはいえ、毎朝ぐずられるとこちらも疲れてしまって…。
無理に連れていくべきなのか、少し休ませるべきなのか、判断が難しいです。
えむ先生のアドバイス|こう考えてみては?
Q1. 休み明けに登園しぶりが起こるのは、よくあること?
「これはこの時期のお子さんにはとてもよくあることです」と、えむ先生。
おうちでのんびり、ママやパパとたっぷり過ごしたあとの園生活は、子どもにとって“社会復帰”のようなもの。
大人でも連休明けの出社がつらいように、子どもにも“戻るしんどさ”があるのは自然なことなのです。
「“うちの子だけ?”と心配しすぎなくて大丈夫。多くの子が通る道です」と教えてくれました。
Q2. 無理やり連れていくべき?少し様子を見るのは“甘やかし”?
「無理に引っ張っていくのは、かえって園への苦手意識を強めることもあります」と、えむ先生。
でももちろん、毎回「じゃあ休もうね」では園生活が定着しません。
そこでおすすめなのが、前向きな声かけと小さな“お楽しみ”の工夫です。
たとえば、
- 「帰ってきたらアイス食べよう♪」
- 「今日がんばったらママと一緒にレゴしようね」
など、“行った後にある楽しみ”を伝えるだけでも、子どもの気持ちはぐっと動きやすくなるそうです。
また、「帰ってきたらママがぎゅーってするからね」と親子の“お約束”をつくるのも効果的とのこと。
Q3. 家でできる準備や声かけで、気持ちを切り替えやすくするには?
登園前にできることは、実はたくさんあります。
- 「行きたくないって思うよね」と、気持ちに共感する声かけ
- 「今日はママが甘やかしちゃう日♡お着替え手伝っちゃおうかな?」と、安心感を与える関わり
- 「〇〇先生に、お出かけの話してみたら?」と、園での楽しみを思い出させる言葉
無理に「行くよ!」と引っ張るより、行きたくなる気持ちを育てる声かけを意識すると、登園しぶりのハードルが少し下がるのだそうです。
Q4. 「甘え」や「怠け」ではなく、心のサインとして受け止めるには?
「“行きたくない”は、子どもの甘えではなく、心のSOSかもしれません」と、えむ先生。
朝の表情、話し方、しぐさ――
よく見ると、ちょっとした変化が“気持ち”を表していることがあります。
「今日はお空がきれいだね」「お花咲いてるかな?見に行こうか」
そんな何気ない声かけをきっかけに、少しずつ子どもの気持ちを動かしていくこともできます。
大人が焦らず、余裕を持って関わることが、子どもにとっての安心につながるのですね。
◆えむ先生からのコメント
登園しぶりは、成長の中で誰もが通る自然な反応。
特に長期休み明けは、子どもにとって「またいつもの場所に戻る」という切り替えの時期でもあります。
「行きたくない」は、ただのワガママではありません。
“寂しい”や“不安”のサインでもあるので、まずはその気持ちに気づき、受け止めてあげることが大切です。
子どもは言葉でうまく表現できない分、態度でサインを出しています。
「なんで行かないの?」ではなく、「どうしてそう感じているのかな?」という視点を持つことで、親子の関係も変わっていきますよ。
時間に追われがちな朝ですが、少し早めに起きて、スキンシップを増やすだけでも効果があります。
「大丈夫、ママは見守ってるよ」という気持ちが伝わるだけで、子どもの心は安心します。
焦らず、ゆっくり。毎日がトレーニングです。
その積み重ねが、子どもの自信につながっていきます。
実際にやってみた|アドバイスを試してみて感じたこと
えむ先生のアドバイスを受けて、登園前の声かけや関わり方を少し変えてみました。
たとえば、「帰ったら一緒にアイス食べようか!」と約束してみたり、
「行きたくないよね、ママもおやすみ終わるのちょっとさみしいな」と共感の言葉を伝えてみたり。
すると、泣き出す前に気持ちがほぐれたのか、息子が自分から「今日だけは行ってくる」と靴をはいたのです。
すぐに状況がガラッと変わるわけではありませんが、少しだけ朝の雰囲気が変わったように感じました。
まとめ|心に寄り添う関わりで“行きたい気持ち”を育てよう
子どもにとっての「行きたくない」は、自分の気持ちを整理しきれない不安やさみしさのあらわれ。
その気持ちを叱ったり否定するのではなく、そっと受け止めるだけでも、子どもは少しずつ安心していきます。
そして、登園しぶりが落ち着いてきたときには、
「がんばったね」「行けたね」と、ぎゅっと抱きしめて伝えてあげたいと思います。
焦らず、比べず、わが子のペースで。
朝のひとときを、少しでも穏やかに過ごせるように、親も一緒に“心の準備”をしていきたいですね。
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