幼稚園への入園を考えたとき、まず気になるのは「入園するまでに何ができていればいいのか?」ということではないでしょうか。
オムツは外れていないとだめ?
一人でご飯を食べられたほうがいい?
着替えがまだできないけれど、大丈夫?
「本当はできるようにしておいた方がいいのでは」と思うほど、不安はどんどん膨らんでいきますよね。
私も、息子を満三歳クラスに入園させる前は同じ気持ちでした。でも実際に入園してみて感じたのは、成長の順番は、親が思っているものとは少し違うということでした。
入園前、まだ発展途中だったこと
入園時点で、息子は「すべて整っている状態」とは言えませんでした。
トイレはまだオムツ。着替えも、ズボンは少し手伝えば履ける程度で、上はほとんど自分ではできませんでした。食事はスプーンは使えるものの、食べること自体にあまり興味があるタイプではなく、気分に左右されることも多め。
言葉もゆっくりで、指示は理解しているように見えても、その通りに動いてくれるとは限らない。母子分離についても、家族とは大丈夫でも、他の大人には人見知りすることがありました。
満三歳クラスに入れるには早すぎるかな、せめてオムツくらいは取れてから入園した方がいいのかな、と若干の迷いはありました。
入園前に「できていた方がいい」と言われがちなこと
幼稚園への入園について調べていると、よく目にするのが次のような項目です。
- トイレが自立していること
- 着替えが一人でできること
確かに、園生活を考えれば大切なことでし、親としても「そこまではできるようにしておきたい」と思いますよね。
ただ、実際に通わせてみて感じたのは、家庭で練習を重ねるよりも、園という環境の力のほうが大きい場面があるということでした。
先生という“プロの目”があり、同じ年頃のお友だちがいて、みんなで同じ流れの中で動く時間がある。
家ではなかなか進まなかったことも、園では驚くほど自然に進んでいくことがありました。
実際はこうだった。満三歳で入園して起きた変化
入園後、最初の数日は登園時に泣きましたが、思っていたより早く落ち着きました。
一番驚いたのは、トイレです。
入園前はずっとオムツで、家ではほとんど成功していませんでした。それが園では、最初の数回失敗しただけで、その後は自然とできるようになりました。
園では、活動の区切りごとにみんなでトイレに行く時間があるようで、その流れの中で少しずつ身についていったのだと思います。
家で何度声をかけても進まなかったことが、園ではお友だちの存在や環境の力に後押しされて、急にできるようになることもあります。
また、入園前はほとんどなかった同世代との関わりも、園では自然に生まれていました。先生からは「お友だちと一緒に遊ぶことを楽しみにしているみたいですよ」と聞き、少し驚いたのを覚えています。
成長というと、何かを“できるようになること”に目が向きがちですが、息子の場合は、いきなりできるようになるのではなく、まず園という環境に慣れ、次に集団の流れを覚え、その中で少しずつ生活スキルが伸びていったように感じます。
入園前にやっておけばよかったこと
振り返ってみると、入園前に「スキルを完璧にすること」よりも、もう少し意識しておけばよかったと思うことがあります。
ひとつは、園庭開放などで幼稚園という場所に慣れておくことです。
当時も私は働いていてなかなか時間が取れず、園庭開放には数回しか行けませんでした。
もちろんそれでも入園後は慣れましたが、可能であればもう少し足を運んで、「ここはどんな場所か」「怖い場所ではない」という感覚を持たせてあげられたらよかったなと思います。
もうひとつは、園生活で繰り返す“ちょっとした動作”に触れておくことでした。
たとえば、
- 水筒を自分で出して飲む
- リュックを背負ってみる
- 上履きを履いてみる
といった、園で日常的に行う動きです。
トイレや着替えを完璧にすることよりも、「園ではこういうことをするんだ」という感覚を少しでも体験しておくことのほうが、結果的には役立ったように思います。
「できるようになってから」にこだわりすぎなくていい
入園を考えるとき、どうしても「入園までにできるようにしておかないといけないこと」に目が向きがちです。
もちろん園にもよりますが、「入園後に一緒にやっていきましょう」というスタンスの園もあります。また、家でなかなか進まなかったことが、同世代のお友だちと一緒だと不思議と取り組みやすくなることもあります。
通いながらできることを増やしていく、という選択肢もあるのだと、私は息子から教えてもらいました。
「できるようになってから入園」だけが正解ではない。
そんなふうに思えるようになったのは、満三歳で入園したからこその気づきだったように感じています。


