ある日突然、子どもから飛び出す乱暴な言葉。
「だめ!」「うるさい」「きらい」
など、大人の口調を真似しているのか、お友達から学んだのか…。
親としてはドキッとする瞬間です。
頭ごなしに注意するのもためらわれるし、無視していいのかも迷う。
「どうやって正しい言葉づかいを伝えればいいの?」というのは、多くの家庭での共通の悩みではないでしょうか。
今回は、保育士経験のあるベビーシッター・えむ先生に、「子どもの言葉づかいとの向き合い方」についてお話を聞きました。
相談内容|乱暴な口調への向き合い方

幼稚園に通い始めてから、息子の口調が少しきつくなることがあります。
「うるさい」「もう知らない!」「どいてよ!」などの言葉を家庭で口にするようになり、正直少しショックです。
放っておいて大丈夫なのか不安です。
子どもの言葉づかいにどう向き合うべきでしょうか?
えむ先生のアドバイス|こう考えてみては?
Q1. 子どもが乱暴な言葉を覚えてしまうのは自然なこと?
「これは本当に“あるある”ですよ」とえむ先生。
子どもはスポンジのように周囲の言葉を吸収します。園での友達同士のやりとり、テレビやアニメ、時には大人の会話まで。良いことも悪いことも、区別なく取り込むのがこの時期の特徴だそうです。
100%防ぐのは正直難しいもの。
大切なのは、「覚えた=性格が悪くなった」ではないと知ること。
まずは、
- 「園で覚えてきたんだな」と一歩引いて見る
- 過度に反応しすぎない
- すぐに“矯正”モードに入らない
これだけでも、親の気持ちはかなり楽になります。
Q2. すぐに直すべき?それとも成長を見守る?
多少の口調の強さは成長過程の一部。
ただし、相手を傷つける言葉はそのままにしないことが大切だそうです。
ポイントは、頭ごなしに「ダメ!」と叱らないこと。
代わりに、こんな問いかけを。
「今の言い方、言われたらどんな気持ちになるかな?」
「他にどんな言い方ができたかな?」
考える時間を一緒に持つことが重要です。
例えば:
- 「どいて!」→「ちょっとどいてくれる?」
- 「うるさい!」→「ちょっと静かにしてほしいな」
少し語尾を変えたり、言い方を変えるだけでも全然違いますよね。
“言葉の置き換え”を一緒に考えることで、ただ禁止するよりも学びが深まります。
Q3. 家でできる声かけや関わり方の工夫は?
「まずは大人の言葉づかいを振り返ってみてください」と、えむ先生は優しく言います。
忙しい夕方、つい
「早くして!」
「何回言えばわかるの?」
と言っていませんか?
子どもは、大人の“言い方”もそのまま真似します。
できることは:
- 子どもの目を見て話す
- 一度しゃがんで目線を合わせる
- 落ち着いたトーンを意識する
そして何より、きちんと向き合って話す時間をつくること。
それだけで、言葉の荒さは少しずつ落ち着いていくことが多いそうです。
Q4. 園やお友達との関係で心配な場合、どう連携すればいい?
もし不安が強い場合は、遠慮せず園に相談を。
「最近家ではこんな言い方をするんですが、園ではどうですか?」と、軽く聞くだけでもOK。
園での様子を知ることで、
- 家だけの現象なのか
- 友達関係でストレスがあるのか
ヒントが見えてきます。
男の子は特に、年中頃から“かっこつけ期”に入る子も多いとか。
「僕」→「俺」
「お前は〜だぞ!」
仲間内の遊びの中での一時的なブームであることも少なくありません。
相手が傷ついていないかどうかを軸に、見守るラインを決めていきましょう。
◆えむ先生からのコメント
「言葉は、子どもが社会の中で“試している道具”のようなものです」とえむ先生。
強い言葉を使ってみて、相手の反応を見る。
その中で、「あ、これは嫌がられるんだ」「これはうまく伝わるんだ」と学んでいきます。
だからこそ、 叱るよりも、“一緒に考える姿勢”が何より大切。
小さいうちから完璧にきれいな言葉づかいを求めなくても大丈夫。 でも、相手を大切にする気持ちは、今から育てていきたいですね。
「成長したなぁ」と感じる余裕も、ぜひ持ってあげてください。
実際にやってみた|アドバイスを試してみて感じたこと
我が家でも、「うるさい!」と言われたときにすぐ叱るのをやめてみました。
代わりに、「そう言われたら、ママちょっと悲しいな」と気持ちを伝え、「どう言えばよかったかな?」と聞いてみる。
最初は「わかんない!」と返されましたが、 「静かにして、って言えばよかった」とぽつり。
正直、すぐには変わりません。でも、“言い換える”という選択肢があることを知っただけでも大きな一歩だと感じました。
私自身も、言い方を見直すきっかけに。
親も一緒に成長中です。
まとめ|乱暴な言葉は「学びの途中」
幼稚園で覚えてくる少し強い言葉。
それは、世界が広がった証でもあります。
大切なのは、
- すべてを禁止しようとしないこと
- 相手の気持ちを一緒に考えること
- 言葉の置き換えを教えること
叱るより、対話を。
完璧な言葉づかいを目指すより、 相手を思いやる心を育てていきたいですね。










